2024-07-25

意外にもドライバーに寄り添う?感性を重視するフェラーリの車作り

フェラーリは、「媚びない」メーカーとして知られており、その戦略のおかげで、ブランド力を確固たるものとしています。
そんなフェラーリのスポーツカーは、非日常的で、一見ドライバーに寄り添うようにはとても思えません。

  

では、フェラーリは、何を重視して車作りをしているのでしょうか?

  

その答えは、「F1レースの追体験」なのではないか?と私は考えます。

  

「速く」、「美しい」車を作るフェラーリ。

  

速さは折り紙付きで、サーキットでも当然、素晴らしいパフォーマンスを発揮します。

  

一方で、フェラーリのスポーツカーがサーキットに特化しているかというと、そうとも限りません。
可能な限りの快適装備をそぎ落とし、サーキットに特化した車を作っているメーカーは他にもあるでしょう。

  

フェラーリは確かに、非常に美しい車でしょう。

  

しかし、主観になりますが、アストンマーティンなどと比較して、飛び抜けて美しいか?と言われると疑問が残るかもしれません。
フェラーリの車作りについて考えようと思ったら、フェラーリという会社の存在理由に遡るのが良いかもしれません。

  

フェラーリは、「F1に勝つ」ために作られた会社。  

  

そんなフェラーリのスポーツカーは、フェラーリのファンがF1を追体験できるように作っているのです。

  

本来は、世界で20人程の限られたドライバーしか経験できないF1の世界。
それを、一般的な運転スキルのドライバーが疑似体験するためには、レーシングカー顔負けの「速さ」は必ずしも必要ないでしょう。

  

スリリングな一方で、意のままに操れるような運転感覚や、ドライバーを興奮させるような、音、加速度、振動。

  

そして、デザイン。

  

それらの演出の巧みなフェラーリは、F1カーを超高速度域で操ってるかのような錯覚を与え、ドライバーを高揚させるようなスポーツカーを作ることを目指しているのではないでしょうか。

  

この感性を突き詰めた車作りは、快適性とも両立可能です。

  

様々な層の資産家にこの世界観を体験して欲しいフェラーリは、「速く走ること」に重きを置かない車好きでも楽しめるような、比較的快適で、洒落た車も多くラインナップしているのです。