2024-09-05

「フェラーリ」は、車好きなら誰もが見るべき映画だ!モデナやマラネロに足を運んだ車好きのレビュー(前編)

映画「フェラーリ」は、1957年のひと夏を描いた作品。エンツォの内面を炙り出そうとした、非常に魅力的な映画です。

  

私は、2018年にイタリアに2か月程滞在しました。
その際に、マラネロにあるフェラーリ本社と、フェラーリ博物館。
そしてイタリアの英雄を祀ったモデナの「エンツォ・フェラーリ博物館」にも足を運びました。
モデナやマラネロという小さな町の空気感を肌で感じ、フェラーリが産まれる土壌を知ることができる経験でした。
一方で、エンツォの博物館を見学し、数々の彼の功績を目の当たりにしたとて、彼の内面に迫ることは中々難しいもの。

  

この映画では、エンツォの私生活や、悲しみ、そして狂気までもを窺い知ることができ、非常に興味深いものでした。

  

映画の冒頭で魅入られたのは、マイケル・マン監督の映すイタリアの美しさです。
アメリカ人の目に映る古の街は、かくも重厚で陰鬱とした魅力があるのかと、自分自身が初めてイタリアの街を訪れた際の新鮮な感動を思い起こしました。

  

そして、果てしなく重厚なロマネスク様式の街並みと、呆れるほど真っ赤で騒々しいフェラーリの対比。
自分も、レンガ造りの町に住むイタリア人だったら、度が付くほどの晴れやかさのフェラーリがどうしても欲しくなるかもしれない‥そんな、妄想をしてしまいます。

  

「映画館でこの映画を見て良かった」と心底思ったのは、サウンド。
イタリアの車の音の良さは最高だと、改めて感じさせられます。数々のフェラーリは勿論のこと、マセラティのサウンドも決して手を抜いてはいません。
この迫力あるサウンドは、半端な家庭用のオーディオでは再現が難しいのでは無いでしょうか。
上映館がお近くにある方は、是非とも映画館で、音を浴び、眼福ならぬ耳福のひと時を過ごされてみてはいかがでしょうか。

  

次回、後編では、「フェラーリ」のストーリーについても軽く触れてみます。
後編もお楽しみに。