フェラーリの音は美しい。
これは、多くの車好きの共通認識となっています。
なぜフェラーリの音が美しく、他のメーカーに真似ができないのか、簡単に解説していきます。
フェラーリのサウンドと聞いて、皆さんは、どんな音を想像するでしょうか？
ただただ甘美な管弦楽団のような音、猫科の猛獣の雄叫びのような力強い音‥
状況や車種によっても異なりますが、共通しているのは「高く澄んだ音」という点では無いでしょうか。
そんな澄んだ高音を生み出す素因としては、「マルチシリンダー」であり「高回転型エンジン」であることが、まず挙げられるでしょう。
音の高低はHz（1秒間に何振動か）という単位で表され、数字が高ければ高いほど、高い音を表します。
エンジンの場合、この振動回数はシリンダーの燃焼回数になります。
例えば、6000rpmで回っているエンジンは、6000÷60=100 ですので、クランクシャフト(軸)が1秒間に100回回っています。
一般的に普及している4ストロークエンジンでは、燃焼回数は半分となりますので、1気筒あたり1秒間に50回燃焼しています。
4気筒の場合×4で200Hz、6気筒だと300Hz、8気筒だと400Hz、12気筒だと600Hzとなります。
最近発表された、フェラーリの新型「12Cilindri」は、9500rpmの12気筒なので950Hzにも達します。
これは、ソプラノ歌手の高音域にも匹敵する高さとなります。
4気筒、6000rpmエンジンの4オクターブ、5オクターブ上の音域なのです。
もちろん、エンジンには共振もありますし、倍音も大きく関与します。
排気干渉や爆発の間隔、クランクシャフトの構造など様々な因子がエンジンサウンドと関係してきますが、長くなるのでまた別の機会にお話ししましょう。
こんなマルチシリンダー、高回転エンジンを作れるメーカーは現在ではフェラーリくらいのもの。
他のメーカーには真似のできない高く澄んだ音を奏でられるのです。
当社のフェラーリも、もちろん12気筒や8気筒の高回転型エンジンを搭載しています。
その音を、是非実際にご体感ください。