2024-06-14

フェラーリに乗れなくなる?ピニンファリーナとの蜜月関係の崩壊

筆者は以前、フェラーリ F355を運転する機会がありました。

運転席に座ってすぐに目が留まるのは、今やフェラーリから絶滅した6速MTのシフト。

  

そのすぐそばに輝いていたのは、フェラーリとピニンファリーナの旗が仲睦まじく交差しているエンブレムでした。

   

今回は、フェラーリとピニンファリーナの蜜月関係とその崩壊について簡単に書いていきます。

   

タイガーウッズからシューマッハまで、世界中のVIPから愛されるフェラーリ。

その歴史は75年にも及びます。

  

そんな「フェラーリの車」の構成要素とは何でしょうか?

「フェラーリが作った車」でも、206や246ディーノは厳密にはフェラーリではありません。

  

「フェラーリのエンジンを持った車」という定義だと、2001年以降のマセラッティなども当てはまります。

「速いこと」、「F1の魂が込められた車」、いろんな構成要素があるでしょう。

こと、デザインに関しては「ピニンファリーナが作った流麗なボディー」というのが重要な構成要素だったでしょう。

   

フェラーリといえばピニンファリーナ、といわれるほどその関係は深く、テスタロッサ、F40、エンツォフェラーリなど名だたる名車のデザインがピニンファリーナによるものです。

   

比較的近年の車ですと、本田圭佑やメッシも愛する、458イタリア。

ジェイソン・ステイサムの愛車、F12ベルリネッタ。

  

exo.のラインナップですと、シューマッハが開発に携わったカリフォルニア、フェラーリ初の4輪駆動4人乗りのFF。

  

これら全てピニンファリーナデザイン。

しかし、近年のフェラーリは以前のような女性的なデザインではなく、他のスーパーカーと似たデザインになってきていると感じることもあります。

   

それはデザインを担当していたピニンファリーナとの関係にヒビが入ったから。

いまやフェラーリのデザインからは90年もの伝統が失われたのです。

    

その決別を表すかのようにインドのマヒンドラに買収された後、ピニンファリーナはEVハイパーカーの開発を発表しています。

   

ランボルギーニやマクラーレンとも違う、フェラーリならではの女性的な美しさという重要な構成要素は、すでに失われつつあるのです。

   

それが今後はもうフェラーリに乗れなくなると書いた理由なのです。